播種性血管内凝固症候群(DIC)の患者さんで、私にとって、一生忘れることのできない経験があります。
医療関係者用に、大学病院のブログもリンクしておきたいと思います。
【DICの専門医学記事】
・播種性血管内凝固症候群(DIC):全記事が図解です。
・DIC(病態・診断・治療):詳解記事です。
70歳代のその男性患者様(Xさん)は、ある部位の癌に、重症のDICを合併しておられました。
XさんのDICは、出血がみられやすいタイプの線溶亢進型DIC(旧名称:線溶優位型DIC)でした(臓器障害はありませんでした)。
お話をお聞きしたところ、Xさんは、出血性胃炎で大出血、筋肉内出血、皮下出血、鼻出血、口腔内出血、全身紫斑など、まさに全身出血だらけの状態でした。全身から血の匂いを感じました。
まさに、典型的な出血がみられやすいタイプのDIC(線溶亢進型DIC)だったのです。
しかし、これほどの激しい出血をきたしたDICだったにもかかわらず、フサン(メシル酸ナファモスタット)(FOYではありません)による治療を開始したところ、翌日の回診時には、全身の出血は奇麗にひいていました。
まるで魔法がかかったように、止血しました。
一生忘れることのできない、極めて優れた治療効果でした。
もし、昔の教科書に書いてあるようにヘパリンによる治療を行っていましたら、患者様の出血はかえって悪化していたことでしょう。
DICの診断にとどまらず、DICの病型診断(この患者様は出血しやすいタイプの線溶亢進型DIC)にまで踏み込むことで、奇麗に治療に反応した良い例だと思います。
DICに限りませんが、検査は大変重要だと思います。
適正な検査によりえられた的確な診断、病態把握により、適正で有効な治療をおこなうことができるからです。
<播種性血管内凝固症候群(DIC)のリンク集>
【DICとは】
・イントロです。
・DICって何の略
・研修医・医学部学生対応
・DICの研修
・DICを制する者は・・・
・DICの基礎疾患
【症状・病態】
・DICの症状
・出血症状の理由
・臓器症状の理由
・出血症状vs.臓器症状
・図解:敗血症に合併したDICの発症機序
【診断・検査】
・診断基準の種類
・急性期DIC診断基準の長所と短所
・厚生労働省(旧厚生省)DIC診断基準の長所と短所
・TATの威力
・FDP・Dダイマーとは?
【治療】
・DICの治療(基礎疾患別)
・リコモジュリン(トロンボモジュリン製剤) NEW!
・血管内皮とトロンボモジュリン NEW!
・トロンボモジュリンの構造 NEW!
・リコモジュリンによるDIC治療の成績 NEW!
・リコモジュリンの今後の展開 NEW!
・アンチトロンビン
・トロンボモジュリン(最新兵器)
・線溶活性化が強いDICに対する治療(フサン)
・前立腺癌のDIC
・APLのDIC
・APLに対するATRAというDIC治療薬?
・ウロキナーゼ?
・トランサミンの是非
・【実際の患者様の例】
・ピタリと血が止まった!
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血栓止血の臨床ー研修医のためにー
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・DIC(病態・診断・治療):詳解記事です。
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XさんのDICは、出血がみられやすいタイプの線溶亢進型DIC(旧名称:線溶優位型DIC)でした(臓器障害はありませんでした)。
お話をお聞きしたところ、Xさんは、出血性胃炎で大出血、筋肉内出血、皮下出血、鼻出血、口腔内出血、全身紫斑など、まさに全身出血だらけの状態でした。全身から血の匂いを感じました。
まさに、典型的な出血がみられやすいタイプのDIC(線溶亢進型DIC)だったのです。
しかし、これほどの激しい出血をきたしたDICだったにもかかわらず、フサン(メシル酸ナファモスタット)(FOYではありません)による治療を開始したところ、翌日の回診時には、全身の出血は奇麗にひいていました。
まるで魔法がかかったように、止血しました。
一生忘れることのできない、極めて優れた治療効果でした。
もし、昔の教科書に書いてあるようにヘパリンによる治療を行っていましたら、患者様の出血はかえって悪化していたことでしょう。
DICの診断にとどまらず、DICの病型診断(この患者様は出血しやすいタイプの線溶亢進型DIC)にまで踏み込むことで、奇麗に治療に反応した良い例だと思います。
DICに限りませんが、検査は大変重要だと思います。
適正な検査によりえられた的確な診断、病態把握により、適正で有効な治療をおこなうことができるからです。
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・臓器症状の理由
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・厚生労働省(旧厚生省)DIC診断基準の長所と短所
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