閉塞性動脈硬化症(ASO)の記事を続けたいと思います。
この病気には、抗血小板薬(アスピリンなど)は有効ですが、ワーファリンは無効です。しかも、ワーファリンの併用は出血の副作用を増加させるのみであるとの報告があります。
アスピリンとワーファリンの使い分け
1)閉塞性動脈硬化症とは:
下肢(あし)にいく動脈が動脈硬化のため細くなって、血流が悪くなる病気です。
病気の進行度にはランクがありますが、内科で診せていただくこの病気の患者様は、長く歩いていると、下腿(ふくらはぎ部分)が痛くなるということで受診されることが多いです。
しかし、痛くなってもしばらく休んでいますと痛みがやわらいで、また歩くことができるようになります。医学的には、間歇性跛行(かんけつせい はこう)と言います。
休むと痛みがとれるから大丈夫ではなく、早々に病院に受診する必要があります。足が腐る直前のこともありえます。
2)閉塞性動脈硬化症の治療:
1. 原因となった疾患の治療:
糖尿病、高血圧症、高脂血症などの病気をお持ちのことが多いです。
それらの病気の治療を充分に行います。
2. 禁煙:
タバコを吸っておられる方は、絶対禁煙が必要です。
3. 血液の流れを良くする治療:
アスピリンは血液をさらさらにしますが、下肢の血流を良くする(血管を拡張する)作用はありません。第一選択薬は、プレタール、プロサイリン(ドルナーも同じ)です。
かなり進行してしまいますとバイパス術と言った外科手術が必要になりますが、そうでなければ、プレタール、プロサイリン(ドルナーも同じ)は特効薬です。とても良く効きます。
ただし、これらのお薬には副作用があります。
頭重、顔のほてり、動悸が高頻度でみられます。
とくに内服を開始して1ヶ月以内でみられやすいようです。
ただし、この時期をクリアできますと、副作用はほとんど感じなくなりますので、なんとか乗り切っていただきたいところです。
なお、私は副作用を少なくする目的で、少量から開始して少しずつ増量するようにしています。
また、アスピリンを併用することもあります。
4. 運動療法:
上記のお薬を内服した状態で、散歩を励行していただきます。
これは、新しく血管(バイパスの血管)を発達させるためです。
万一、動脈の本幹が閉塞してしまっても、バイパスの血管が発達していますと、緊急手術に至らずにすむことがあります。
ただし、重症の方では、運動療法をできない場合がありますので、主治医と充分相談しましょう。
3)他の動脈硬化症に注意:
この病気をお持ちの患者様は、下肢へいく動脈だけでなく、全身の他の血管も動脈硬化が進行していることが多いです。
そういう意味で、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などにもなりやすいですので、全身のチェックが必要です。
(補足)
早期診断のために:
糖尿病、高血圧症、高脂血症などの病気をお持ちの患者様は、定期的に下肢にいく血流が悪くないかどうかの検査をされておくことをお薦めしたいと思います。
ABI(PWV)という検査です(心電図と血圧をたして2で割ったような検査です。全く痛くない検査です)。
この検査で、自分の血管年齢も分かります。
<閉塞性動脈硬化症のリンク集>
【閉塞性動脈硬化症】手遅れにならないように!
【足が腐る病気の治療】閉塞性動脈硬化症
【血液をさらさらにするお薬】間違い処方
【閉塞性動脈硬化症に弾性ストッキング??】
【ドルナー:何科】閉塞性動脈硬化症、プロサイリン、プレタール
【閉塞性動脈硬化症】(まとめ)
【抗血栓療法の種類】アスピリン、ワーファリン他
【血便と閉塞性動脈硬化症】痔?虚血性大腸炎?
【脊柱管狭窄症】血流改善薬が効く
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この病気には、抗血小板薬(アスピリンなど)は有効ですが、ワーファリンは無効です。しかも、ワーファリンの併用は出血の副作用を増加させるのみであるとの報告があります。
アスピリンとワーファリンの使い分け
1)閉塞性動脈硬化症とは:
下肢(あし)にいく動脈が動脈硬化のため細くなって、血流が悪くなる病気です。
病気の進行度にはランクがありますが、内科で診せていただくこの病気の患者様は、長く歩いていると、下腿(ふくらはぎ部分)が痛くなるということで受診されることが多いです。
しかし、痛くなってもしばらく休んでいますと痛みがやわらいで、また歩くことができるようになります。医学的には、間歇性跛行(かんけつせい はこう)と言います。
休むと痛みがとれるから大丈夫ではなく、早々に病院に受診する必要があります。足が腐る直前のこともありえます。
2)閉塞性動脈硬化症の治療:
1. 原因となった疾患の治療:
糖尿病、高血圧症、高脂血症などの病気をお持ちのことが多いです。
それらの病気の治療を充分に行います。
2. 禁煙:
タバコを吸っておられる方は、絶対禁煙が必要です。
3. 血液の流れを良くする治療:
アスピリンは血液をさらさらにしますが、下肢の血流を良くする(血管を拡張する)作用はありません。第一選択薬は、プレタール、プロサイリン(ドルナーも同じ)です。
かなり進行してしまいますとバイパス術と言った外科手術が必要になりますが、そうでなければ、プレタール、プロサイリン(ドルナーも同じ)は特効薬です。とても良く効きます。
ただし、これらのお薬には副作用があります。
頭重、顔のほてり、動悸が高頻度でみられます。
とくに内服を開始して1ヶ月以内でみられやすいようです。
ただし、この時期をクリアできますと、副作用はほとんど感じなくなりますので、なんとか乗り切っていただきたいところです。
なお、私は副作用を少なくする目的で、少量から開始して少しずつ増量するようにしています。
また、アスピリンを併用することもあります。
4. 運動療法:
上記のお薬を内服した状態で、散歩を励行していただきます。
これは、新しく血管(バイパスの血管)を発達させるためです。
万一、動脈の本幹が閉塞してしまっても、バイパスの血管が発達していますと、緊急手術に至らずにすむことがあります。
ただし、重症の方では、運動療法をできない場合がありますので、主治医と充分相談しましょう。
3)他の動脈硬化症に注意:
この病気をお持ちの患者様は、下肢へいく動脈だけでなく、全身の他の血管も動脈硬化が進行していることが多いです。
そういう意味で、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などにもなりやすいですので、全身のチェックが必要です。
(補足)
早期診断のために:
糖尿病、高血圧症、高脂血症などの病気をお持ちの患者様は、定期的に下肢にいく血流が悪くないかどうかの検査をされておくことをお薦めしたいと思います。
ABI(PWV)という検査です(心電図と血圧をたして2で割ったような検査です。全く痛くない検査です)。
この検査で、自分の血管年齢も分かります。
<閉塞性動脈硬化症のリンク集>
【閉塞性動脈硬化症】手遅れにならないように!
【足が腐る病気の治療】閉塞性動脈硬化症
【血液をさらさらにするお薬】間違い処方
【閉塞性動脈硬化症に弾性ストッキング??】
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