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血栓症の臨床(図解)48:深部静脈血栓症と表在性血栓性静脈炎の違い(前編)

血栓症の臨床(図解)シリーズ
・血栓症の基礎:1234567891011121314
・抗血栓療法:15161718192021222324252627
・アスピリン vs. ワーファリン:
28293031323334353637383940
414243444546
・深部静脈血栓症/肺塞栓(DVT/PE):
4748



深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)と、血栓性静脈炎(表在性血栓性静脈炎:superficial thrombophlebitis)は、名前は似ていますが、実は違う病気です。

研修医の先生とお話していて、DVTのことかと思っていたら、実は静脈瘤からの血栓性静脈炎の話であったということが多々あります。

両者が合併することも皆無ではありませんが、病態、罹患血管、原因、症状、肺塞栓を合併しやすいかどうか、治療のいずれもが違いますので、しっかりと区別する必要があります。この違いはかなり重要ですので、2回シリーズで分割して説明させていただきます。

血栓性静脈炎は、炎症が先にあって二次的に血栓ができます。

罹患血管は表在静脈ですので、外から目でみて分かります。静脈の走行にそって、赤く筋状にみえます。発赤した血管の走行部分を触りますと痛いですが、罹患血管以外には炎症がないために罹患血管以外を触っても痛くありません。下肢全体がパンパンに腫れるというようなこともありません。重症の場合は、皮膚はただれた感じになってしまいます。

しかし、血栓性静脈炎は肺塞栓を起こすことはまずありません。ですから、抗血栓療法は不要です。局所療法、消炎鎮痛剤、抗生剤などによる治療になります。

原因として、静脈瘤、外傷、血管刺激性の強い点滴後などがありますが、原因不明も多いです。


一方、深部静脈血栓症ですが。。。。


(続く)


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  • 2017.08.02 Wednesday
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コメント
あーちゃん先生、お久しぶりです。
いつもためになる記事をありがとうございます。

実は、メディカルトリビューンの2009年10月22日付け記事をなんとなくみてたら、以下のように書かれていたので驚き、これは専門家のあーちゃんに聞いてみようという気になりました。
オーストリアグラーツ大学のBarbara Binder先生という研究者が最近発表したデータによると、SVTの1/4がDVTを合併している可能性があるというのです(Archives of Dermatology 2009;145; 753-757)
なんでもSVTの患者さん46例を対象に半年間にかけてカラードプラー検査を施行し、その結果、SVTの24%にDVTが検出されたというのです。
人種も違いますが、日本人の場合にこのような研究をした報告はあるのでしょうか?教えていただければさいわいです。
  • ロンチャン
  • 2009/10/28 4:09 PM
ロンチャン先生、いつも暖かいコメントをいただきありがとうございます。

また、この度は、大変貴重な情報を教えていただき感謝いたします。

表在性血栓性静脈炎(SVT)の1/4が深部静脈血栓症(DVT)を合併する可能性があるというのは、私にとってかなりの驚きです。

原著論文として掲載されたということは、新たな発見ということを意味する訳ではありますが、はたして本当だろうかというのが率直な感想です。

ロンチャン先生もご指摘の通り、人種の問題もあるかもしれません。また、残念ながら私はabstractしか見ることができなかったのですが、対象症例の背景、表在性血栓性静脈炎や深部静脈血栓症の程度(重症度)も気になるところです。

コントロールスタディかどうかも気になるところです。

この度は、大変貴重な情報をありがとうございました。今後ともどうかよろしくお願いいたします。
  • あーちゃん
  • 2009/10/28 6:47 PM
初めまして。突然で大変恐縮なのですが父70歳のことについてご相談させていただきたくよろしくお願いいたします。

昨年9月膵臓がんステージ4aの診断をうけ手術。
膵頭部を残し膵臓を二分の一切除しました。
リンパに転移はなく癌はきれいにとれましたと説明を受けました。

その後再発予防のためTS1を開始。
他に心房細動の持病があるためワーファリン1.5咾鯢用しておりました。
(数年前から心房細動、7年前に脳梗塞を発症、2年前にカテーテルアブレーション手術を受けその後は心房細動はおこしておりません)

TS1開始約2ヶ月後、両足に浮腫、歩けない程の強い痛みがあり抗がん剤は一旦中止となりました。

造影CT、超音波検査で血栓がみられるとの事で深部静脈血栓症と診断され現在、ヘパリン点滴治療3週間経過しておる状態です。
血液検査ではD-dimer、TAT共に高値、あとプロテインC欠乏症の可能性があると言われました。

浮腫、両足の痛みはある適度改善されてきたのですが毎日高熱が出るのが大変気になっております。
周期的に39度を超す熱がここ一か月毎日出ております。

実は2か月前に転倒したのですがその傷口から細菌がはいって血栓についた可能性が高いと言われました。
点滴に抗生物質が追加され10日経ちましたが未だ高熱は続いております。

そこであーちゃん先生にご相談したいのですが大体どのくらいで発熱の症状がなくなってくるものなのでしょうか。

3時間程度で熱は下がるのですが、最初は1日に1回だったのが今は日に2回(午後と深夜)も高熱が出るので食欲もなく身体が辛いようです。
主治医からは一カ月(あと20日程度と解釈しております)点滴治療が必要と説明を受けております。

長々と分かり難い文章で大変恐縮ですがお時間のあります時にご回答いただけましたら幸いでございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
  • れい
  • 2013/02/23 10:36 PM
れいさん、この度はご訪問ありがとうございます。

「深部静脈血栓症と診断され、現在ヘパリン点滴治療3週間経過」
ワーファリンはまだ内服されておられないのでしょうか。

「血液検査ではD-dimer、TAT共に高値」
ヘパリン点滴治療3週間経過しているにもかかわらず、まだ高値ということでしょうか(実際の数字は分かりますでしょうか)。
3週間もDダイマーやTATの高値が持続しているとしますと、かなり重症だと思いますが、その理由はどのように聞いておられるでしょうか。
ガンが再発している可能性はないと聞いておられるでしょうか。

「プロテインC欠乏症の可能性があると言われました」
プロテインCは、プロテインC欠乏症でなくても低下することがあります。
たとえば肝障害、栄養状態不十分でも低下します。あるいは、ワーファリンを内服しますと、誰でもプロテインCは速やかに低下します。

「浮腫、両足の痛みはある適度改善されてきたのですが毎日高熱が出るのが大変気になっております」
深部静脈血栓症のみでは発熱することはないと思います(超重症例を除いて)。
発熱の原因はどのように聞いておられるでしょうか。

膵癌が根治されているにもかかわらず、発熱と深部静脈血栓症もあるとしますと、膠原病(全身性エリテマトーデスなど)の合併がないかも気になります(さらに抗リン脂質抗体症候群も合併など)。
膠原病はないのでしょうか?

「周期的に39度を超す熱がここ一か月毎日出ております」
毎日39度を超す熱が一ヶ月もでているのでしょうか。
もしも感染症であれば、最悪の転帰になっていると思います。
感染症以外の原因で、発熱している可能性はないでしょうか。

毎日39度を超す熱が1ヶ月間出ているにもかかわらず、お元気だとしますと。感染症の熱ではないかも知れません。
膵癌が完治されているのであれば、やはり膠原病(全身性エリテマトーデスなど)の合併がないか気になります(抗リン脂質抗体症候群も合併など)。

「実は2か月前に転倒したのですがその傷口から細菌がはいって血栓についた可能性が高いと言われました」
傷口の状況が分かりませんので、何とも言えないところですが、このようなことは極めて例外的ではないかと思います。
よほど重症の傷だったのでしょうか。

「大体どのくらいで発熱の症状がなくなってくるものなのでしょうか」
熱の原因が何かによると思います。
抗生剤が効くタイプの熱かどうかも大変に気になるところです。
たとえば、膠原病の熱、腫瘍による熱の場合は、抗生剤は全く効きません。

病状の全てを把握できていませんので、ひょっとしたら見当違いのコメントがあったら申し訳ございません。

以上、分かる範囲内で書かせていただきました。
  • あーちゃん
  • 2013/02/24 9:35 PM
お忙しいところ早速ご回答下さり本当にありがとうございます。
感謝いたします。

「ワーファリンはまだ内服されておられないのでしょうか。」
ワーファリンはヘパリンの点滴開始時より内服しておりません。

「ヘパリン点滴治療3週間経過しているにもかかわらず、まだ高値ということでしょうか(実際の数字は分かりますでしょうか)」
経過説明の書き方が悪く大変申し訳ありません。
血液検査をしたはヘパリンの点滴をし始めて14日目でTAT37 Dダイマー39
ヘパリンの点滴は今日で26日目になります。

「3週間もDダイマーやTATの高値が持続しているとしますと、かなり重症だと思いますが、その理由はどのように聞いておられるでしょうか」
ヘパリンの点滴は1カ月必要。その後TAT Dダイマーは下がってくると思いますと説明を受けました。

「ガンが再発している可能性はないと聞いておられるでしょうか」
ガンでかかっている医師ではなく、今回は別の血管外科の医師に診察いただいたので
ガンの再発についてのお話は「ガン細胞があるときに血栓が出来ることがある」とだけ言われました。

「深部静脈血栓症のみでは発熱することはないと思います(超重症例を除いて)。
発熱の原因はどのように聞いておられるでしょうか」
「血液検査で炎症反応があり血栓に細菌がついたことによる発熱と考えられます。細菌は転倒時に出来た傷口から入った可能性が高い」と言われました。

「膵癌が根治されているにもかかわらず、発熱と深部静脈血栓症もあるとしますと、膠原病(全身性エリテマトーデスなど)の合併がないかも気になります(さらに抗リン脂質抗体症候群も合併など)。
膠原病はないのでしょうか?」
書き方が拙く申し訳ありません。
膵癌については手術で癌はきれいにとれたと言われましたがまだ抗癌剤を始めたところで根治とは言われておりません。
術後2カ月、12月の時点での腫瘍マーカーは正常範囲内でした。その後は検査しておりませんが近々腫瘍マーカー検査予定です。
膠原病について言われたことはありません。

「毎日39度を超す熱が一ヶ月もでているのでしょうか」
はい。3時間程度で下がるのですが周期的な高熱が毎日一カ月続いております。

「もしも感染症であれば、最悪の転帰になっていると思います。
感染症以外の原因で、発熱している可能性はないでしょうか」
感染以外の原因の可能性についてのお話は何もないのですみません・・分かりません。

「傷口の状況が分かりませんので、何とも言えないところですが、このようなことは極めて例外的ではないかと思います。
よほど重症の傷だったのでしょうか」
いいえ。打撲はありましたが傷は小さなものでした。

「熱の原因が何かによると思います。
抗生剤が効くタイプの熱かどうかも大変に気になるところです。
たとえば、膠原病の熱、腫瘍による熱の場合は、抗生剤は全く効きません」
高熱の出る日が続くのでそれが大変気になります。
膵癌は完治したということではないので、熱が続く状況はやはりガンに関係するものではないかと心配しておりました。
現在入院中ですが主治医に熱はいつまで続きますかと聞きましたところ、いつまでというのは(答えるのは)難しい・・という風なことでしたので今回ご相談させていただいた次第です。
教えていただいた膠原病等の可能性についても主治医に一度聞いてみようと思います。

抗生物質の点滴を続けて今日で11日経ちましたが、もし感染症による発熱であれば大体どのくらいの期間で効果が表れてくるものなのでしょうか?
感染症の熱ではないかもしれないとコメントいただいておりますのにしつこく同じような質問をして申し訳ありません。
お忙しいところ大変恐れ入りますがご回答いただけましたら幸いでございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
  • れい
  • 2013/02/25 12:00 AM
れいさん、コメントありがとうございます。

「ヘパリンの点滴をし始めて14日目でTAT37、Dダイマー39」
TAT37ng/mL、Dダイマー39μg/mLとしますと、かなり高値です。
治療して2週間での血液検査ですと、もっと低下していて欲しいところです。

「その後TAT、Dダイマーは下がってくると思います」
はい、TAT、Dダイマーの経過は今後とも気になるところです。

「ガン細胞があるときに血栓が出来ることがある」
はい、今のがんの状態が気になるところです。

「血液検査で炎症反応があり血栓に細菌がついたことによる発熱」
私には主治医のこの説明は意味がわかりません。
主治医に食い下がって質問したいところです。
病名は何でしょうか。細菌性心内膜炎を疑っているという意味でしょうか。

「その後は検査しておりませんが近々腫瘍マーカー検査予定です」
はい、手術前のデータがどうであったかも含めて、経過を知りたいところです。

「感染以外の原因の可能性についてのお話は何もないのですみません・・分かりません」
次回、主治医から病状説明があった際に、感染症以外の熱の可能性がないのか食い下がって聞きたいところです。

「いいえ。打撲はありましたが傷は小さなものでした」
そういうことですと、主治医の血栓に細菌がついたという説明は、ますます理解しにくいです。

「抗生物質の点滴を続けて今日で11日経ちましたが、もし感染症による発熱であれば大体どのくらいの期間で効果が表れてくるものなのでしょうか?」
まず熱の原因が感染症ではないとしますと、熱はこのまま出続けると思われます。
感染症の熱であった場合は、抗生剤が当たっていれば、数日で解熱傾向を確認できるのが一般的です。抗生物質の点滴を続けて11日経過したにもかかわらず「全く」解熱しないとしますと、抗生剤が当たっていないか、感染症の熱ではないかのどちらかではないかと思います。

感染症の熱であった場合には、1ヶ月も39℃の熱が出ていれば、今の元気な状態はないと思います。
やはり、感染症以外の原因による発熱を疑いたくなります。

ところで、血液培養検査で、何か菌は見つかっていますでしょうか。

私は病状の全てを把握できませんので、限界があるのですが、あるいは主治医のみが知っている重要情報があればコメント内容が大きく変わる可能性がありますが、現時点で分かる範囲内で書かせていただきました。回答になっていますでしょうか。
  • あーちゃん
  • 2013/02/25 8:56 AM
早々とご回答下さりありがとうございます。
少ない情報量でお答えし難いであろうなかご意見下さり本当に感謝いたしております。

「今のがんの状態が気になるところです」
次回腫瘍マーカーの結果を聞く予定です。
現在両下肢深部静脈血栓症で入院中ですが今の状況を考えると血栓症の病気とは別にガンに関係するものではないかと大変心配です。

「病名は何でしょうか。細菌性心内膜炎を疑っているという意味でしょうか」
すみません・・具体的な病名は伺っておりません。

「血液培養検査で、何か菌は見つかっていますでしょうか」
血液培養検査をしていただいてるか分からないのですが菌がみつかったとは聞いておりません。
病院と私の自宅が離れているので頻繁に行けないこともあり・・。
大事な事が聞けていませんね。反省しております。

こちらで教えていただいたことを参考に疑問に思う事、気になる事等を主治医に聞いてみます。

後日、また気になる事が出てきた時は恐縮ですがご相談にのっていただけましたら大変心強く思います。

お忙しいなか貴重なお時間をいただき本当にありがとうございました。
  • れい
  • 2013/02/25 4:13 PM
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